アメリカ、忍耐政策に限界
北朝鮮が5回目の核実験を強行しました。実に5回のうち4回はオバマ政権下で行われたことになります。
オバマ政権は北朝鮮に対し、非核化に動くまで瀬戸際外交に応じない「戦略的忍耐」政策を掲げていますが、全く効果がないどころか逆効果と言わざるを得ません。
北朝鮮の核開発に対しては、国連安全保障理事会も制裁を行ってきました。しかし北朝鮮と関係の深い中国が制裁に消極的なために、十分な効果は出ていません。
中国は北朝鮮の体制崩壊による難民流入や、韓国との統一によって米国の同盟国と国境を接することを恐れています。
だから中国は、形の上で国連の対北朝鮮制裁強化に賛成しても、実際には逃げ道つきの制裁しかしていません。北朝鮮は中国の足元を見ているのです。
オバマ大統領は任期切れが近く、政策転換は難しいのが現状です。北朝鮮は、来年1月に新しい政権が発足するまでに出来る限り核武装を進め、「核保有国」として新政権との交渉を有利に進めようとしています。
核を持たなかったイラクのフセイン政権はアメリカによって倒されました。北朝鮮が核を持つことによって現体制の維持に成功するのならば、核を持ったもの勝ちということになってしまいます。
核拡散防止条約(NPT)の形骸化がさらに進むことは避けられません。