国連は役立たずか?
北朝鮮が新たな核実験を強行する兆しがあると、韓国が発表しました。アメリカの核の脅威に対抗するためだとか。もうきりがないですね。
日本は国連安全保障理事会に対して、さらなる制裁強化を要請したそうですが、前回書いたように五大国の中国が乗り気でないので効果は期待できません。
そもそも国連ってこういう国際紛争の解決に役立ってきたんでしょうか。
国際安全保障の中心となるのは安全保障理事会です。国際連盟が第二次世界大戦を防ぐことができなかったことを反省し、国連は侵略国に対して経済制裁だけでなく武力制裁もできるようになりました。
しかし現実には、五大国の拒否権発動で麻痺状態のまま、正式な国連軍はいまだ編成されたことはありません。(朝鮮戦争で派遣された朝鮮国連軍は、正規の手続きを踏んでいないので厳密には国連軍ではありません。)
代わりにPKOという中途半端なもの(国連憲章の6章半と呼ばれます)を派遣していますが、条件は停戦合意が成っていることなので、現に戦闘や虐殺が行われている時は手が出せません。
一度ソマリアの内戦中にPKOが入りましたが、多くの死傷者を出して大失敗に終わりました。
さらに全世界で問題になっているテロに対して、正規軍が無力であることははっきりしています。国連はあくまで国単位で対応するからです。
そもそも、何を根拠に北朝鮮を制裁するのでしょう?
核拡散防止条約(NPT)違反ですか?
北朝鮮はとっくの昔にNPTの脱退を宣言しています。だから国際法違反には当たりません。
国際司法裁判所は核兵器の使用を違法とする見解を出していますが、法的拘束力はありません。
あったとしても、五大国の一つ中国が率先して仲裁裁判所の判決を無視しているのですからお手上げです。
今重要なのは国連を盲目的に賛美することよりも、その限界を認識することでしょう。