高校 政経に役立つニュース解説

日々のニュースの中から、高校政経に役立ちそうなテーマを選び、分かりやすく解説します。これを読んで自分の意見が持てるようになりましょう。

セクハラについて考える

アメリカに始まったme too運動が、日本にも広まった来たのか、マスコミでもSNS上でも様々な意見が飛び交っています。中でも三浦瑠璃さんのツイートに、私は心を動かされました。ずっと我慢して来たと彼女は言います。可愛らしい容貌で東大卒で、すでに結婚してお子様までいらっしゃる。他人が欲しがるものを全て手に入れてしまったようにみえる彼女の思い余ったようなツイートに、よほどのことがあったのだなと推察します。そして、学会、政界、マスコミという一見知的レベルが高い人が集まっているような世界で今だにむき出しのセクハラがまかり通っていることに驚きを禁じ得ませんでした。私が女子校で生徒に話しているのは、小さなことからマメに嫌だと伝えることです。大げさでなく相手に恥をかかせないようクールにです。男性は人前で恥をかかせると逆ギレしますから。そうしていれば、この子はセクハラを受け入れないんだなと分かると思います。我慢を重ねてことがエスカレートしてから告発するのは、男性の側はちょっと不満に思うかも。なんだよ今頃って感じで。例えば何度も夜に二人きりで食事を重ね、卑猥な話に応じておいて、あとでセクハラだというのは、ちょっとだまし討ち的な感じがします。男性に教育が必要なのは言うまでもありませんが、俺に気があるのかなとか、セクハラを気にしないタイプなのかなと勘違いさせるような行動は、やめてあげた方がいいと思います。

自由貿易と保護貿易

トランプ次期大統領が、トヨタを名指ししてメキシコに工場を建設するなら高額の関税をかけるとツイートしました。


トランプ氏はアメリカ国民の雇用を創出することを宣言しています。このため、工場を建設するならメキシコではなくアメリカでやれ、ということです。


アメリカ次期大統領の口先介入ならぬ指先介入ですね。


しかしこれは、明らかに自由貿易の原則に違反します。


第二次世界大戦の原因の一つは、資本主義列強によるブロック経済にあります。これが世界貿易の停滞を招き、結果として対外膨張へと向かったことにあります。


そこで戦後、自由貿易をめざし、自由、無差別、多角主義を理念としてGATTが設立されました。


さらに1995年にWTOが設立されると経済のグローバル化が一気に進み、貿易、直接投資、金融の相互依存と一体化が強まりました。


この動きを主導してきたのは、紛れもなくアメリカです。


トランプ氏はこの流れを大きく転換させることを意図しているようです。


グローバリズムがかえって南北問題を深刻化させていることも事実です。しかし、保護貿易が世界大戦を引き起こしたという事実を無視することはできません。


そもそもアメリカが保護主義に走れば、一時的に雇用が創出され、貿易収支が改善したとしても、アメリカ経済にとって長期的にプラスになるとは思えません。


トランプ氏には、第二次世界大戦直後の理念に立ち返って、大国らしい振る舞いをして欲しいと思います。













静かな革命

いよいよアメリカ大統領選挙が迫ってきました。よその国の大統領だとはいえ、ここへきて何だか混沌としてきて、やはり結果が気になりますね。


それにしてもなぜ、暴言ばかり吐くトランプ氏がアメリカ国民の支持を集めているのでしょう?


その訳を、先日ジャーナリストの有本香さんがインターネットの番組で教えてくれました。


アメリカのマスコミは、これまでトランプ氏をずっと馬鹿にして来ました。


例えば移民排斥発言です。


移民を差別するなんて、差別主義者た。このグローバル社会に何て馬鹿なことを言ってるんだ、と。


しかしアメリカ社会に最も不満を持っている中間層は、内心トランプ氏を支持しているのです。


アメリカの富の大部分はウォール街の大富豪が独占しています。その一方移民や貧困層は手厚い保護を受けています。


移民のせいで職を失い、あるいは賃金を引き下げられたのはアメリカ社会を支える中間層なのです。


彼らは、ウォール街と移民の両方から吸い取られている、と感じています。


そしてクリントンは、ウォール街の富豪から金をもらっている。


しかしトランプは、自らが富豪だからウォール街からは金をもらっていない。そして移民排斥を堂々と公言してくれる。


今の矛盾だらけのアメリカ社会を大きく変えてくれるのはトランプくらいアクの強い人物でなければだめだ。


トランプ氏は実は中間層の心をしっかり掴んでいるのです。


しかし表立ってトランプ支持を表明するのは憚られるので、黙っているのが現状です。


だから実際の投票では、思いがけずトランプ氏が多くの票を得るかもしれません。


実は同じようなことがイギリスでも起きました。


ブレグジットです。


メイ首相はこれを静かな革命だと表現しました。


アメリカとイギリスで、同時期に中間層による静かな革命が起きているとしたら、日本はどうすればいいのでしょう。


有本さんは、我々は身構えるべきだと結んでいます。


いつもながら、有本さんの発言には目の覚める思いがします。


みなさんもよく考えて見てください。




ハロウィンとGHQ

昨日はハロウィンで各地で盛り上がっだようですね。私も学校で「トリック オア トリート」と言われたり、逆にお菓子をもらったりしました。


ところでハロウィンってなんのお祭りか知ってましたか?


秋の収穫を感謝するお祭りだそうですよ。


とすると、日本の新嘗祭にあたりますね。お盆じゃないんだ。


新嘗祭は今の勤労感謝の日だから11月23日です。でも収穫を祝う日という印象はないですね。


その訳は、戦後GHQ新嘗祭では天皇色が強いので勤労感謝の日に変えさせたからだそうです。


GHQの指令が今も生きてることにも驚きだけど、それを私たちが意識していないことが怖い。


憲法GHQ職員が書いたものだということを知らない人がいるらしい。


いろんな意味で、もうそろそろGHQの呪いから解き放たれてもいいのでは?


とりあえず今年の11月23日には、新嘗祭のことを考えてみてはどうでしょう。


ゆとり世代のゆとり

なぜいつまでも景気が上向かないのか?個人消費が伸び悩んでいるからです。


ではなぜ個人消費がのびないのか?その原因となっているのがゆとり世代だといいます。


ゆとり世代は、デフレになってから生ま、デフレの中で育ったのでインフレを知りません。従ってお金を寝かせておくリスクを知らない上に将来の社会保障に対する不安が強く、消費を控えて貯蓄に走るのです。(これは高校で生徒と接していて強く感じます。)


そもそも豊かな社会に生まれ育ったため物欲が少ない。


お金を溜め込んでいるのは年寄りかと思いきや、貯蓄率は若者の方が高いのです。


日銀の目指す物価上昇率2パーセントの掛け声も、ゆとり世代には響かないようです。 


そもそも日本人の貯蓄好きはいつから始まったのでしょう。そういえば私も子供の頃、無駄遣いしないで貯金しなさいと親から言われました。


それは、戦争中の政府の政策の影響のようです。


政府は戦費調達のため、国民に郵便貯金を勧め、これを戦費に当てたのです。


これが原因で現在の政府が消費を呼びかけても国民がお金を使おうとしないなら皮肉なものですね。


ただ、ゆとり世代もお金を使う分野はあります。物よりコト。CDは買わなくてもライブには行くのです。


デフレ脱却のための糸口は、ゆとり世代を主役にした戦略かもしれません。

主婦は洗脳から解放されるべき

堀江隆文さん著書「人生はカネじゃない!」には、洗脳について書かれています。堀江さんは、洗脳にかけるのもかけられるのも、ひと本来の性質に根ざしている、と言います。そして洗脳を解く方法の一つが、勇気を持って一歩踏み出すことなのです。


しかし多くの人々は現状維持を強く望むので、洗脳にかかりやすいそうです。


10月1日から、年収106万円以上の人の社会保険への加入が義務づけられました。


従来、主婦が夫の扶養家族となって保険料や年金の支払いを免れることができる基準は130万円でしたが、それが106万円に引き下げられたのです。


たとえば年収が120万円の人は、夫の扶養からはずれ、健康保険と国民年金の支払いが必要になるため、給与の手取りが減ることになります。


目的はもっと主婦に働いてもらうこと。


これまで健康保険や国民年金の支払いを嫌がって労働時間をセーブしていた主婦が少なくありません。その方が手取りが多くなるからです。


政府はそのブレーキを外そうとしているわけです。


これに対して、主婦たちは迷っています。


労働時間を増やして社会保険料を負担しても手取りが減らないようにするか、労働時間をさらにセーブして夫の扶養家族にとどまり、社会保険料を負担しなくて済むようにするかです。


主婦の間に思い込みはないでしょうか。夫の庇護のもとで、邪魔にならない程度で働くことが、良い主婦のありかただという思い込み、洗脳です。


彼女たちは何のために働いているのでしょう?


あちこちとの摩擦をさけ、夫の庇護の元で遠慮がちに働くことが、そんなに立派なことでしょうか。


もちろん家庭の事情は様々でしょう。育児や介護があるから労働時間を増やすことはできないと言う人が多いようです。


しかしそれも洗脳ではないでしょうか?


そもそも育児や介護は、すべて主婦が背負わなければならないものではありません。もっと家族の協力や公の援助を求められるはずです。


主婦が勇気を持って一歩踏み出すことが、家族を変え、世の中を変えるのです。


是非勇気を出して、一歩踏み出して欲しいと思います。




外国人労働者は受け入れるべきか

堀江貴文さんの著書は、いずれもそれまでの思い込みを打ち壊してくれる刺激的な本です。


中でも「君はどこへでも行ける」は、バブルの幻想にいまだとらわれている私の目をはっきりと覚まさせてくれるものでした。


日本はすでに安売りの段階に入っていると彼は言います。


外国人から見て(特にアジア、中でも中国やタイ、シンガポール)、日本はお買い得なのです。


賃金も決して高くない。日本はすでに魅力的な国ではないのです。そんな所にわざわざやって来て働こうなどという外国人がどれほどいるでしょうか?


まして日本が求めているのは、低賃金長時間労働の介護と保育の現場です。


日本人さえ敬遠する職場に外国人が来たがるわけがありません。


政府は能力の高い人を選別するつもりのようですが、そんな人はもっと高給がもらえる他国に行くでしょう。


結局そんな悪条件でも来ようという外国人は、母国では仕事にありつけない人々ではないでしょうか。


一方、移民の受け入れで期待できることと言えば、出生率の上昇です。アメリカやドイツの出生率の上昇は、移民が沢山子供を産んでくれていることが主な要因でしょう。


日本はすでに人口減少社会になっています。短期的に労働人口を増やす意味でも、長期的に増やすためにも、移民を受け入れることはプラスになります。


そのときには彼らを、日本国民として分け隔てなく迎え入れる揺るぎない覚悟が必要です。


単に安くて使いやすい労働力として扱うなら、後で取り返しがつかない禍根を残すことになるでしょう。